監督・脚本:手塚治虫
出演:ゴドー(塩沢兼人)、オルガ(三輪勝恵)、ロック(池田秀一)、レナ(藤田淑子)、サルタ博士(熊倉一雄)、ブラックジャック所長(伊武雅刀)、バン(大塚周夫)、ピンチョ(高橋和枝)、クラック(大竹宏)、火の鳥(竹下景子)、教官(森山周一郎)、ほか
日本、1980年
YouTubeに落ちていたんで25年ぶりに見てみました。
わしは劇場まで見に行った記憶があるんですが、漫画の火の鳥がわりと母性属性全開なところに比べて、すごく凶悪な顔で火の鳥と戦うというクライマックスが衝撃的で覚えてました。
未来の地球。試験管ベビーとして生まれ、宇宙パイロットになることを決められたゴドーはオルガという女性型の育児ロボットに育てられる。成人して最後の訓練を受けることになったが、ゴドーにはシリウス星の宇宙人を殺すことは、たとえ命令でもできなかった。やがて科学センターの長官ロックに呼び出されたゴドーは、2772と呼ばれる謎の宇宙生物を捕獲するよう命じられ、それと引き換えに町の外に出る自由を得る。そこでレナという女性と出会ったゴドーは彼女と恋に落ちるが、元老院のイート卿の娘でロックの婚約者であるレナとは身分が異なり、強制労働キャンプに送られてしまう。しかし、傷ついた仲間を助けようとして自らも負傷したゴドーにサルタ博士という囚人が脱出を持ちかける。ゴドーはサルタ博士、オルガ、レナのペットのような宇宙人ピンチョとともに宇宙に逃げ出し、荒廃した地球のために2772を追いかけることになる。レナがロックと結婚したと聞かされて、ゴドーはレナを諦めるが、慰めようとするオルガに「人間の女の子がほしいんだ」と言ってしまう。サルタ博士の古い友人で世捨て人のバンから2772について知っていると言う宇宙人プークスを紹介されたゴドーは、その通訳であるクラックもともに宇宙船に乗せ、2772が現れるという惑星に向かう。それはかつて地球で火の鳥、不死鳥、フェニックスなどと呼ばれた伝説の鳥に酷似していたが、より凶悪な存在であり、仕留めようとしたゴドーたちに激しい反撃をしてくる。その戦いのなかでピンチョ、サルタ博士、プークス、ついにオルガまで倒れた時、ゴドーは火の鳥との戦いを放棄し、オルガを直そうとする。ゴドーはいつの間にかオルガを愛していたのである。だが、その愛こそ、火の鳥の弱点だった。ゴドーに降参した火の鳥はオルガを再生させる代わりにゴドーの愛が欲しいという。遠く地球を離れた星でオルガと過ごすゴドーは、やがて地球に帰り、その星の食物を地球に植え直したいと思う。オルガは反対するが、ゴドーの要求に従い、地球に帰還する。荒れきった地球で待っていたのはロックたちだったが誰も彼もが疲弊していた。ロックはゴドーが2772を持ってきたと思い込んでいたが、そこに地殻変動が起こり、地球は崩壊の一途をたどる。目の前でロックやレナ、ブラックジャックを失ったゴドーは自らの命と引き換えに地球の再生を願う。オルガはそれを止めようとするがゴドーに従い、オルガの中に入っていた火の鳥は地球を再生させ、ゴドーは倒れる。だが、オルガは人間の女性に、ゴドーは赤ん坊に生まれ変わっていた。新しい地球で生きて行くために。
90分くらいの短さなんですが、懐かしさもありまして、さくっと見ました。ただ、公開当時はそんなに評判良くなかった気がする…。火の鳥が凶悪顔に描かれていたのが敗因か。話が漫画版のどれにも沿ってない、オリジナルだったからか。俺はおもしろいと思ったんだけど。ピンチョとクラックが好きなので、もっと活躍してほしかったなぁ。サルタ博士もそうですが、退場があっさりし過ぎ〜
登場人物は手塚先生のスターシステムで馴染みのキャラがたくさん、主役のゴドーとオルガと3人の宇宙人がオリジナルですかね。オルガは「七色いんこ」にも再登場してたけど、ゴドーは見てないかもしれないが二枚目だから、どっかで主役はってるかもしれません。
それにしてもオルガが万能過ぎてびっくりしてましたが、考えてみたら攻撃手段は持ってないのでこれぐらいはいいのかも。
ロックはまぁ、いつものエリート臭ふんぷんのロックでしたが、これは「火の鳥 未来編」と同じポジションですね。池田秀一さんとは気づかず。それほど好きな方ではないんで。
ブラックジャックは声が大塚明夫さんかと思いましたが、伊武さんでした。このころ、アニメの登場多かったよね。わしは伊武さんのデスラー総統が大好きでしたよvv
単なる悪役ではなくて、プロフェッショナルと侠気を感じるポジションというのはテレビシリーズなんかで登場した時も健在です。
バンはヒゲオヤジでしたが、周夫さんだって気づかなかった…。それよりも教官が森山周一郎さんだと知ってがく然としてましたよわしは… orz
好みは分かれると思いますが、これもまた紛うことなき「火の鳥」です。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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