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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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ラストエンペラー

監督:ベルナルド=ベルトルッチ
出演:溥儀(青年〜)(ジョン=ローン)、婉容(ジョアン=チェン)、レジナルド=ジョンストン(ピーター=オトゥール)、戦犯収容所所長(英若誠)、甘粕正彦(坂本龍一)、川島芳子(マギー=ハン)、ほか
音楽:坂本龍一
中国・イタリア・イギリス、1987年

1908年の皇帝即位から1950年の戦犯収容所での様子を挟みつつ、溥儀の回想という形でその生涯が語られる歴史映画です。

わしの大々々々々好きなジョン=ローン(大事なことなので大文字)がその名声を不動のものにした映画です。映像的には故宮で初ロケもあり、大変美しいのですが、基本的に溥儀は滅び行く国の皇帝であり、偽りの国の皇帝でもあったわけで、その美しさの裏にあったものを考えると退廃的な美しさだと思いました。
特に嫁の婉容が阿片に溺れていく辺りのくだりなんかは紙一重の美醜とも言える感じでした。

逆に1950年代の戦犯収容所での様子は戦犯が着せられているのが上下黒、収容所なんで華やかさは皆無に等しいため、対照的にモノクロームの世界でしたが、これは意図的なんだろうなと。まぁ、溥儀自身も戦犯として囚われの身でありますし。

そして、皇帝の位に返り咲きたいために日本に亡命し、傀儡国家・満州の皇帝として君臨した溥儀のアホさ加減はどうにも受け入れがたいものでもありますんで主役がジョン=ローンとはいえ、そこら辺はわりと冷静に見てました。ここら辺はミーハー一色に徹した「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」とか「ラッシュアワー2」とか「チャイナ・シャドー」とは対照的です。

どっちかと言うとわしの好みは溥儀よりも戦犯収容所の所長さんの方に流れちゃうのでラスト、文革で裁かれる側に立たされた所長と一市民となった溥儀の対比とかが良かったです。

あと、わしがジョン=ローンに惚れたのはあちこちで書いてますが「資生堂デ・ナリ」の広告でだったので、「ラストエンペラー」にはあんまり関心がなかったんですが(だから今頃見た)、それよりもデビッド=ストラザーンさんと夢の共演をしたという「Iceman」と、妖艶な女装を披露したという「Mバタフライ」のが100倍見たかったりします。

あと、作中ではあんまり触れられてませんでしたが撫順の戦犯収容所はつい先日行ったばかりで日本の戦犯も多かったはずなんですが、その最後のコーナーに「中国はいかに溥儀を更正させたか」みたいなのがあったなぁと思い出しました。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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監督:森谷司郎
脚本:橋本忍
原作:正木ひろし「弁護士」
出演:正木ひろし(小林桂樹)、滝田静江(南風洋子)、岸本正治(下川辰平)、田代検事(神山繁)、室田医師(大滝秀治)、ほか
日本、1968年

1944年に起きた首なし事件を題材にした映画だそうです。正木ひろし弁護士も実在の方ですが、1980年に亡くなったと映画の後のトークショーで安田さんが言ってました。

茨城県の炭鉱町で一人の男が亡くなった。しかし、その死に納得できない雇い主らは東京の正木弁護士のもとに事件を持ち込む。最初は軽く考えていた正木だったが、警察ともう1つの炭鉱との癒着や、男を死なせたのが警察ということもあってなかなか解決に至らない。とうとう正木は自分の説が正しいことを証明するために被害者の首を切り落とすことにするが…。

というわけで熱血弁護士を小林桂樹さんが熱演。それにしても1944年と言えば敗戦直前、治安維持法まっただ中の時代です。そんな時代に正義を追究して首を持ち帰っちゃう正木弁護士という人はかなり破天荒な方だったんだろうなぁと思いました。実際、ラストもそんな感じでした。安田さんのトークでもけっこう無茶苦茶な人だったらしいですし。

ただ、死体が腐っちゃう→暴行死だと証明できない→首を持ってこよう!までの展開はともかく、腐る心配してるなら、どう考えても満員電車で暖房効果ばっちりの車内に生首を持ち込んじゃあかんだろうと思いました。持って帰るうちに腐るわい。
あと、事実を知らされてないのに(知ってたら、万が一、警察に見つかった時に共犯になっちゃうから)、仕事だというんで、黙々と首を切り、警察に追われる正木弁護士に代わって首を持って帰ったおっさんのプロ意識が凄かったです。

個人的には胡散臭さ丸出しの田代検事と室田医師が拾い物でした。秀治若かった!

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壁あつき部屋

監督:小林正樹
脚本:安部公房
原作:BC級戦犯の手記より
出演:山下(浜田寅彦)、横田(三島耕)、木村(下元勉)、川西(信欣三)、西村(三井弘次)、許(伊藤雄之助)、ほか
見たところ:渋谷ユーロスペース
日本、1956年

そんなわけで死刑映画週間の2本目です。「死刑弁護人」とどっちにしようか迷って、見たことがない方にしました(イベントが朝の11時〜夜の9時過ぎまでなのでどこかでご飯を食べたかったから)。

巣鴨プリズンに入れられたBC級戦犯の話を、主に原住民を殺した山下のエピソードを中心に描く。

山下はラスト近くまで髭を生やしているし、伊藤さんは「生きる」で覚えているので、あとの4人の顔を覚えるのが大変でした。ただし、確か川西という人は神経症みたいになっちゃって首を吊ってしまうので中盤で退場しまして、たぶん木村という人が眼鏡をかけていたのと、西村という人は九州弁が強かったので何とかなりました。

山下の上官が浜田で、浜田の命令で原住民を殺した山下は、浜田の密告や証言のために有罪とされて巣鴨プリズンに入ってます。まぁ、日本軍というのはなにしろ上官の命令は絶対なんで「殺せ」と言われたら殺すしかないように考えちゃってるんですが、それでも殺したことに代わりはないよねとは思いました。どうせ殺すなら浜田殺しちゃえば良かったのにとか。

横田は捕虜収容所の通訳でしたが、火葬(本当の隠亡です)の娘役で岸惠子が登場、彼女に会いたいという望みを持ってますが、彼女はとっくに盛り場の女になっちゃってる辺りが男と女の違いというか、何夢見てんだよみたいな感じでした。
弟は新聞記者ですが、「ブタ箱に入れられた」みたいな会話をしてまして、左翼に傾倒しつつあります。

許は朝鮮人で、たまに濁点がなくなるのが朝鮮人らしいと言えなくもないんですけど、何をやったのかは不明っぽいです。たぶん軍属とかそこら辺でしょう。

戦犯というのは、けっこうでたらめな裁判も多かったんで同情の余地は多大にあるんですけど、死刑と同列に扱うのはどうかなと思いました。まぁ、実際に絞首刑になっちゃった人も大勢いるんで、それはそれで大変なんでしょうが。
ただ、この映画のメインを占める山下は実際に人を殺しているわけで、浜田の命令ではあったけれど、だからといって山下が無罪かと言われるとそうも言えないと思うわけで、いろいろと考えさせられるタイプの映画ではありました。

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7番房の奇跡

監督:イ=ファンギョン
出演:イェスン(パク=シネ)、イェスン(少女時代)(カル=スウォン)、イ=ヨング(リュ=スンリョン)、刑務所の課長(チョン=ジニョン)、房長(オ=ダルス)、チュノ(パク=ウォンサン)、マンボム(キム=ジョンテ)、ボンシク(チョン=マンシク)、ソじいさん(キム=チョン)、ほか
見たところ:渋谷ユーロスペース
韓国、2013年

新聞の夕刊で渋谷ユーロスペースで「第6回死刑映画週間 生きるという権利」をやっていると読みました(記事を書いた時点では終了してます)。「死刑弁護人」「白バラの祈り ゾフィー=ショル 最期の日々」「独裁者と小さな孫」ほかのラインナップだそうです。早速、ユーロスペースのサイトを確認したところ、各日トークショーがあって、「生きるという権利」を書かれた弁護士の安田好弘さんが最終日(2月24日)に来られるとあります。というわけで、久しぶりに映画3本はしごというか、単館で見てきました。その1本目がこちらです。

知的障害のあるイ=ヨングは6歳の賢い娘イェスンと、貧しいながらも幸せな日々を過ごしていた。ところが、ある冬の日、市場で倒れた少女を介抱しようとしたイ=ヨングは、幼女強姦殺人犯に間違えられてしまう。7番房に入れられたイ=ヨングは、房長の命を助けたことで望みを訊ねられ、愛する娘イェスンに会いたいと答える。慰問団に紛れてイェスンは7番房にやってきたが、房長を初めとする囚人仲間も、イ=ヨングが幼女を殺したというので厳しかった刑務所の課長も、イ=ヨングの無実を確信していく。しかし、被害者が警察長官の一人娘だったことで、噴飯やるかたない長官はイ=ヨングを犯人にでっち上げることで怒りを晴らそうとしていた…。

韓国映画らしく、泣いて笑って、感動物に仕立てられた映画ですが、粗筋の最後に書きました、無実のイ=ヨングを自分の憂さ、娘を失った悲しみ、持っていくところのない怒りなどなどをぶつけている警察長官というのが、もう冤罪も冤罪、娘が死んでしまったからといって、その代わりに誰かを殺すなど絶対に警察官として許されないだろうおらヽ(`Д´)ノな展開が個人的にはこの映画を良作とは言えないかなぁと思わせてしまいます。

わし的には、オ=ダルスさん、キャストに書いてませんがパク=サンミョンさん、さらに「達磨よ、遊ぼう!」のチョン=ジニョンさんに、イ=ヨング役のリュ=スンリョンさんは「高地戦」にまで出演してて、だから韓国映画はやめられねぇやとうはうはしていたんですが、そのために無実のイ=ヨングの死刑は受け入れられないわけでして、しかも現代(公開当時の2013年と思われます)のパートで法学生となったイェスン(しかも課長が養父)が模擬裁判の題材に実の父の事件を選んで無実を晴らすという展開は、涙なくしては見られない熱弁でもあったんですが、なにしろ現役の警察長官がイ=ヨングを脅かして「罪を認めなければ娘(イェスン)を同じ目に遭わせる」と言っているのを聞いちゃうと、誰か、こいつを何とかしてくれという思いの方が大きくなっていったのでした。

その点を除くと、日本の刑務所なんかよりも、むしろずっと人間らしい扱いっぽく見える韓国の刑務所の方がましなんじゃないかと思ったり、出所してヤクザの親分だったはずなのに牧師になったオ=ダルスさんとか、身重の妻を残して刑務所に入れられたボンシクがイェスンがこっそり持ち込んだ当時としては最新鋭の携帯電話で牢から奥さんに電話かけちゃうシーンとか、そもそも音楽がイ=ドンジュンさんだった!(「シュリ」「リベラ・メ」の方)とか、得るものが大きいだけに突っ込みどころも小さくなかったり。

あとタイトルの「奇跡」は、出所したイ=ヨングのムショ仲間がみんな更正したことを言っているのだろうか…

3月1日追記。
パク=サンミョンさんは友情出演だったことが判明。道理で役名も「パク=サンミョン」だったわけだ…。
そして原題はどうも「7番房の贈り物」っぽいです。贈り物ならばイェスン=贈り物ともとれるのでわかるんですが、英語タイトルまで「Miracle」にしちゃったから、奇跡だとわかりづらいかも。

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海底2万マイル

監督:リチャード=フライシャー
原作:ジュール=ヴェルヌ
出演:ネッド=ランド(カーク=ダグラス)、ネモ艦長(ジェームズ=メイソン)、アロナクス教授(ポール=ルーカス)、コンセイユ(ピーター=ローレ)、ほか
アメリカ、1954年

カーク=ダグラスの陽気な銛撃ちの役だけ印象に残ってたんで、見直してみました。

太平洋で船舶が謎の怪物に襲われて沈没するという事件が相次いだ。アメリカからサイゴンに渡ろうとしていたパリ博物館のアロナクス教授は、怪物を調査するアメリカの軍艦に協力するのと引き替えにサイゴンに渡らせてもらうのを引き受ける。数ヶ月の調査の末、艦長は謎の怪物などいないという結論に達するが、その時、アロナクス教授らの目の前で別の軍艦が沈められ、その衝撃でアロナクス教授と助手のコンセイユは海に投げ出されてしまう。彼らを救ったのは最新鋭の潜水艦ノーチラス号を操るネモ艦長だった。無限に使える宇宙パワーの秘密を解き明かしたネモ艦長は、そのために強制収容所に送られ、妻子を殺されていた。秘密を守り、仲間とともに強制収容所から逃げ出したネモはバルケニアという島でノーチラス号を建造し、自らの王国を満喫していたのである。人類発展のためにネモ艦長を説得しようとするアロナクス教授だったが、同時に助けられた銛撃ちのネッドはノーチラス号から脱出しようとする。何マイルもの海中の旅の果て、バルケニア島に戻ったノーチラス号だったが、そこは軍艦に包囲されていた。ネッドが突き止めたバルケニア島の位置を瓶に入れて海に流したのが拾われたのだ。ネモは自分の見つけた力が人類の発展に寄与すると同時に危機に陥れるものと考え、島を爆破しようとする。その際に撃たれてしまったネモは、ノーチラス号や乗組員とともに海底に没することを望むが、ネッドに助けられて、アロナクス教授とコンセイユも逃げ出す。彼らの目の前でノーチラス号は沈んでいくのだった。

って感じの話ですが、途中、ニューギニアの島に上陸し、逃げようとして食人族に追いかけられて逃げ出すネッドとコンセイユの話とか、ノーチラス号が巨大イカ(いまならさしずめダイオウイカ)に襲われ、浮上して撃退しようとしたネモ艦長がイカに捕らわれたのをネッドが救ってやったとか、ノーチラス号で出される食事は全部海からの恵みで、どっかの沈んだ島で収穫してるとか、けっこうエピソードを詰め込んでいるわりには慌ただしいという感じがしなかったのは、なかなかうまい脚本だと思いました。

これに加えて、ネッドが銛撃ちの水夫なんだけど、ギターもうまくて自作しちゃったり、ご本人の声ならば本邦初公開のカーク=ダグラス氏の生歌が聞けちゃったり(しかも2回も)とお得さ満載。ネッドのキャラクターは粗野な感じの一般人でしたが、アロナクス教授が頭でっかちの知識人で、コンセイユがその助手、ネモは世捨て人で、乗組員はその同志となるとバランスはいいのかもしれません。

それよりもネモ艦長がジェームズ=メイソン(「スタア誕生」「2つの世界の男」など)だったことに驚いた! 「2つの世界の男」の翌年なんだけどひげ面だし… でも「スタア誕生」と同じ年だし… 俳優さんて凄いよな!(←結論そこかよ)

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