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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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赤々丸

内田美奈子著。マンガ図書館Z刊。全5巻。

そういや、これも「ウィングス」連載の漫画でしたな。

真面目すぎる反動で22世紀にタイムスリップした上、凶悪な赤々丸と、超論理的な白々丸に分裂してしまった赤井くんが、人間に虐げられるネコ(と言っているが、普通に二足歩行で、「四つ足の猫は過去に絶滅」という記述があったので別物と思われます。近くにネコン星があって、そちらがネコそっくり)の復権をかけた革命を成就させるまでを描いたSF漫画です。

赤々丸はすぐに人を殺しちゃうような物騒な人物ですが、筋は通っているところもあるので、まぁ、基本、いい人です。むしろ、超論理的というか、今風に言っちゃうとめんどくさい白々丸の方がお近づきになりたくなかったり…

この同じ顔をしているんだけど正反対の別人、赤々丸と白々丸に加え、超個性的なネコに加え、3巻あたりからパラドックスという星に住むイヌ(こちらも二足歩行なので犬ではないと思われます)が登場、話がふくらむかと思いきや、5巻で収めたのは大したものだと思いました。
たぶん、登場人物の大半が、わりとギャグ調に描かれる(当人たちは大まじめ)のに対し、わりとシリアスに話をリードするネコのリーダー、テテ(キャラ紹介で「唯一、シリアスが似合うネコ」とか書かれてたりして、実際、崩れた顔は一回も見せず)や、赤々丸のキャラクターがしっかりと地に足をつけている感じだからなのかなぁと思ったり。

人気投票をやったら、間違いなくめね田おたべ(「ぐゎん」が口癖の超巨食ネコ)が上位に来るのだろうなぁと思いましたが、わし的にはスキンヘッドで強面の印象を与えつつ、とってもいい人だったモーガン所長とか好きです。赤々丸にこだわる(しかし、実際に捕まえていたのは白々丸だったりしますが)あまり、ネコと争うことのばかばかしさに気づいてしまう終盤なんか良かったですね。

革命の象徴としての赤々丸というラストもなかなか格好良かったです。

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遥かなる甲子園 第2巻

山本おさむ著。戸部良也原作。双葉社アクションコミックス刊。全10巻。

第2巻では、いよいよメインとなる福里ろう学校が登場します。そこは沖縄の風疹による聴覚障害児のためだけの1学年のみの学校なので、武明たちには先輩も後輩もいませんし、武明たちが卒業すると廃校になってしまいます。もっとも、この学校は中高一貫校なので武明たちは中学生から福里の生徒なのですが、1巻からこの巻の2話目までは少年野球チーム・ベアーズが活動の場となっています。

武明たちは福里ろう学校で野球部を作り、ベアーズの伊波コーチも武明たちと野球をやるために福里に転校します。
しかし、タイトルが「遙かなる」とあるように、実は高野連に加盟までが長い、この物語のメインテーマと言ってもいいくらいの長い険しい道のりでして、そのために学校長を初め、武明たちも戦いを強いられていきます。高野連が守る日本学生憲章には福里のようなろう学校を除外する決まりがあったので、福里の加盟は最初のうちは議題にもかけられることなく断られてしまうからです。
しかし、花城校長が

「100回でも200回でも…… 地べたに額をこすりつけてでも必ずやります 悔しいことで涙を流すのはこれで終わりにします」

と言って決意を固めれば、たとえ1試合もできないかもしれない野球部でも16人が残り、マネージャーも加わったところで以下、続刊です。

前後の盛り上がりに比べると、静かな戦いの始まりという感じもする巻ですが、花城校長の人柄とか、マネージャーを希望する3人の女子たちの、スポーツができないながらも野球部を応援したいという気持ちとかが丁寧に描かれてて、涙なしにはページをめくれないのでした。

この巻ではまだ不良という位置づけの安永とか、聴覚障害者でありながら手話を使わない知花美穂とか、新しいキャラクターがどっと登場して、以後の盛り上がりを予感させるのもお上手。
特に安永は、第1巻でいい子ちゃんになってしまう武明に比べて、言ってみれば「はだしのゲン」の隆太みたいなポジションの健の引き立て役っぽいというか、安永がいる分、健がクールに見えちゃうというかで、彼の父親とのエピソードもまたいいんですけど、武明に比べると両親が離婚している分、より悲劇性が際立っちゃう健がまたいいっていう… あと、この巻を最後に過去話以外で健が涙を見せないのも武明とは別の意味で主柱なんですよね、健は。

知花はヒロインって感じの美人さんですが、手話を禁じ、口話を強いた両親に向ける屈折した思いとか、またいろいろありまして、続きます。

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遥かなる甲子園 第1巻

山本おさむ著。戸部良也原作。双葉社アクションコミックス刊。全10巻。

「わが指のオーケストラ」「どんぐりの家」など、聴覚障害者の方々を描いてきた漫画家・山本おさむさんの初聴覚障害者の漫画です。

「わが指のオーケストラ」と並んでたきがは号泣必須の漫画でして、しかも10巻中、どの巻にも号泣ポイントがあるという油断がならない漫画です。油断でいいのかそれ。

沖縄の北城ろう学校という、今は廃校になってしまった聾学校の野球部が高野連に加盟するまでの経過を主軸に、友利武明、大城光一、健(名字不明)の3人を中心にした子どもたちの成長も描いた漫画です。

1巻では武明の両親が武明の障害に気づかされ(母親が風疹にかかったために子どもに聴覚障害や心臓疾患などが現れた)、母親は心中まで考えますが、断念。小学5年生になった武明は、隣りの吉川悟の誘いで野球に親しむようになり、甲子園に応援に行って、自分も野球をやりたいと思うようになります。中学生になった武明は、すでに光一、健と一緒に行動することが多くなってますが、これは彼らの母校である作中では福里ろう学校が、風疹による障害児を対象にした1学年だけの中高一貫学校だったためでしょう。しかし、武明たちが入りたいと思った強豪の少年野球チームでは聴覚障害者だというので断られ、弱小のベアーズに接触します。ここの伊波コーチが、実は手話もできるという高校の教師で、3人が受け入れられることになりますが、耳が聞こえないために姉の可愛がっている小鳥を野良猫に殺された健は、ベアーズに入りません。しかし、チームでいちばん小さい正という少年との接触事故で大怪我を負わしてしまった武明は、その父親で、ベアーズのスポンサーみたいなおっさんに光一ともどもチームを追い出されそうになりますが、正の「武明くんだけが悪いんじゃない」という話や、チームメイトの武明たちの障害を思いやる気持ち、さらに同い年で武明と同じ誕生日の清の「自分たちも武明と同じ障害を持っていたかもしれない」という言葉により、武明と光一はベアーズに残れることになり、健もここに加わるところまでです。

このラスト、自分たちも同じ障害を持っていたかもしれないというチームメイトたちの言葉が、いつもわしを泣かしてくれまして、以下、続刊です。

ちなみに映画化も(Wiki見たらドラマ化も)されてたようですが、見たことはありません。三浦友和さんの名前があるんで、伊波コーチだったりするんだろうかな…

登場人物のなかでは初っぱなこそヘソ曲げてたけど、改心してからは武明にとって最高の仲間である健ちゃんが好きだったりします。小柄ながら4番でキャッチャーというどっかで見たようなポジションですが、クールに見せていて、適確な指摘と冷静な分析がたまりませんがな。

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新しき世界

監督:パク=フンジョン
出演:イ=ジャソン(イ=ジョンジェ)、カン=ヒョンチョル(チェ=ミンシク)、チョン=チョン(ファン=ジョンミン)、イ=ジュング(パク=ウンソン)、チャン=スギ(チェ=イルファ)、シヌ(ソン=ジヒョ)、ほか
韓国、2013年

韓国ノワールとでも言うんでしょうか。正義の味方なんか出ないで警察もヤクザも腹の中は真っ黒黒介で、騙し合いの化かし合いの連続が落ちの読めない展開で最後まではらはらさせてくれました。

ゴールドムーン・グループのソク会長が事故死した。ヤクザ上がりのゴールドムーンを、これを機会にしめようと目論む警察のカン課長は、10年前から内偵させているイ=ジャソンに組織でNo.4の実力者、華僑あがりのチョン=チョンを押すように指示して、「新世界プロジェクト」を始める。No.3のイ=ジュングを逮捕した警察だったが、チョン=チョンも警察の思うとおりには動かない。カン課長は矛先をNo.2のチャン=スギに変えて、チョン=チョンとイ=ジュングの共倒れを狙うが…。

黒水仙」や「イルマーレ」で主演してたイ=ジョンジェさんがヤクザの社会に入り込んだ警官を熱演、さらに「国際市場で逢いましょう」のファン=ジョンミンさんが兄貴分チョン=チョン、「シュリ」「酔画仙」「オールド・ボーイ」のチェ=ミンシクさんが上司・カン課長と脇をがっちり固めて、警察とヤクザとどっちが腹黒いんだかわからないような濃いキャラクター像でがっぷりと組んだら、これは下手な映画なんか吹っ飛ぶ勢いです。
しかも何ですか。イ=ジュング役のパク=ウンソンさんは「反則王」に出演されてたときたら、もう、韓国映画好きとしてはうはうはが止まらぬ展開ですよ。

邦題の「新しき世界」は、明らかに原題の「新世界」を意訳してるんだろうと思いますが、作中の台詞でも「新世界プロジェクト」と言っているんで、そのままでも良かったんでは… あるいは「新世界」に引っかけつつ、イ=ジャソンがヤクザとなるラストで「新しき世界」なのか…

見たことがなかったんで見てみましたが、思わぬ拾い物をした気分です。この手のサスペンスが好きな向きにはお薦めです。

かくなる上は韓国映画史上、最多の観客動員数を誇ったというチェ=ミンシクさん主演の「バトル・オーシャン 海上決戦」と「隻眼の虎」が見たいのぅ…

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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しろくまカフェ

ヒガアロハ著。小学館刊。全4巻。

たぶん、まだ連載続いてますが、4巻までしか読んでないので。そういえば、アニメにまでなったな…

カフェのマスター、しろくまくんと、常連客のジャイアントパンダ、コウテイペンギン、しろくまくんの親友グリズリーくんに、人間も加えた動物のゆるい日常を描く連作です。1巻に比べると4巻では、かなりキャラクターが増えてます。

わし的にはメインキャラであるしろくまとジャイアントパンダはわりとどうでもよくて、パンダママとグリズリーくん、キノボリカンガルー師匠あたりが好きです。特にアイドル・ヤマアラシのコンサートに行っちゃうパンダママのエピソードがおもしろかったんですが、息子のパンダはむしろ嫌いなレベルなんでパンダが主の話は飛ばしちゃいます。

アニメがネットに落ちてたんで見てみかけたんですが、初っぱなからパンダかよ。あとパンダママが男性の声優なのはオカマにしか聞こえないから勘弁してほしかったです。

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