監督・脚本:今川泰宏。
出演:金田正太郎(くまいもとこ)、ショウタロウ(栗野史浩)、敷島博士(牛山茂)、大塚署長(稲葉実)、高見沢(石塚理恵)、村雨健次(幹本雄之)、村雨竜作(若本規夫)、ビッグファイア(中村正)、萱野月枝(鈴木弘子)、語り(矢島正明)ほか
ついに買ってしまいました。初回限定版。鉄人のリボルテックは要らなかったのでついてない方にしました。
やっぱおもしろいっすよ、これ。基本的にわしの場合、「ジャイアントロボ」ありきなんですけど、「ロボ」と比較してみるとまたまたおもしろいっす。でも、単体でもおもしろいですが、ロボットものなのに、子どもが見ておもしろい話じゃないだろうなぁと思いました。昭和30年代の日本が、高度経済成長の名のもとに置き去りにしようとしていた敗戦という記憶は、今時の子どもが見ても楽しかないでしょう。だいたい、「お富さん」ぐらいは知ってるかもしれんが、傷痍軍人とか赤線とか聞いたこともなかろうし、あの時代背景を知ってないとこの話、わけわかめなところもあると思われる。
そういう意味では、基本的に子どもにも大人にもわかるエンターテイメントを貫く今川監督の作風としてはちと路線が違うような気もするのだが、わしもそこまで今川フリークじゃないので、何とも言えませんけど。
で、見てておもしろいなぁと思ったのは、主人公である正太郎が大作と違って、わりと何でもできる少年なんだなってところなんすよね。鉄人の操縦機を取られたらやばいのはやばいんですけど、銃も撃つし、車も運転するし、なにより少年探偵として大塚署長や官房長官とまでためで話せるんですから、ただ者ではありません。大作がロボがなかったらただの少年になってしまうのとえらい違いだ。
これは、ひとつには時代背景として昭和30年代があって、原作者の横山光輝さんが、当時の読者たちに元気を出してもらおうという意図とかもって、正太郎をわりと何でもできる少年にしたのかなってところがあるのでないかと。鉄人28号を取られたら何もできない主人公、というのはちょっとわくわくしづらいかな、と。
で、もう1つは、単純に鉄人が主題歌にも「リモコン次第」と唄われるように、善悪定まらない存在だったこともあるのかと。ジャイアントロボは大作にしか動かせないからいいも悪いも大作次第。だから、OVAでの戴宗の兄貴曰く「大作が間違った大人にならないよう」に周りの大人が支えているんだけど、鉄人と正太郎はそういう結びつきはないから、正太郎が何もできないと操縦機取られちゃうし、実際に取られた鉄人、という話は今川監督版でもあったようですが、ここで何もできない主人公では話にならないからかなぁと思ったり。
で、テレビ版の予告編が映像特典としてついとったんですが、わし、見たことないんだよね。まだ今川監督にはまる前(2004年)だったしさ。で、今、猛烈に見たいわけです、テレビ版。全25話。見てたらですね、「地球の燃え尽きる日」に登場中のギルバートとか、ケリーとかドラグネット博士とかぼろぼろ出てきて、オリジナルの漫画も読んだことないもんで、興味津々なんすよ。
そのうちに「ミスター味っ子」とか「ハーメルンのバイオリン弾き」とか「七人のナナ」とか今川と名のつくものは何でも手を出しかねません。
こうして人は深みにはまっていくわけだな。ずぶずぶと…もう遅いって話は黙殺
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