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船戸与一著。新潮社刊。

この巻ではいよいよ日中戦争が勃発し、日本は泥沼の戦争の中へ突入していきます。そして、上海での戦いを経て、最終章では南京大虐殺を起こして、まだ続きます。年代としてはまだ1930年代なので、10巻ぐらいまで続きそうな勢い。

太郎は日本帝国の外務省の官僚から、満州国の外務省へ転勤になり、新京へ移ります。相変わらずの官僚人生一直線ですが、新京に越して家が大きくなったことで、妻の桂子に心境の変化が現れ、待望の男子誕生には至っていませんが、新しく雇った家政婦と情事を結ぶようになり、今後、どうなるか、わりと順風満帆な人生に見えただけに最終的な転落が心配な感じです。
次郎は、愛馬・雷神、愛犬・猪八戒を立て続けに亡くし、とうとう馬賊人生に見切りをつけて、背広を着、車を乗り回すようになりますが、風来坊なのは相変わらずです。太郎とは再会してませんが、三郎に会い、四郎に会いに天津へ移動。今後、どうなるのかまったくわからなくなってきました。
三郎は憲兵隊として満州から中国から忙しく飛び回っていますが、兄弟のなかではいちばん地に足がついてる感じで、奥さんとの仲も円満だし、任務に頑張ってます。しかし、最終章で南京大虐殺に遭遇したことで彼の人生にこれから変化があるのか、興味深いところです。
四郎はすっかり新聞記者生活が板についた感じで、巻の前半では北支周辺を飛び回り、後半では上海戦に張りつき、最終章では南京へ取材に行ってます。憲兵隊としてやってきた三郎と偶然に再会したりしてますが、最後では帰った模様。第4巻までの人に操られ、行く先も決められない流され人生にようやくピリオドを打てたような感じもしますが、南京大虐殺を目撃したことで、この先、どうなるのか、自主的に何かをするようになるのか、こちらも目が離せません。

実在の人物は、なにしろ時代が時代ですから、東条英機だの岸信介だの杉原千畝さんまで名前が挙って、驚いたよおいら。でも、そういう人たちはあくまでも話を彩るスパイスに過ぎず、舞台に現れることはありません。この物語を動かしているのは、裏で暗躍する、歴史に名を残した有名人なのかもしれませんが、話のなかで右往左往して、足掻いているのは架空の人物であるという辺りのこだわりが船戸さんだなぁと地に足のついた展開にほっとしてしまいます。

いよいよ発刊されている最後の巻に、次で追いついてしまいます。この国と戦争の行方はわかっていますが、そういう激動の時代に呑み込まれていく登場人物たちがどのような行く末を辿るのか、引き続き、見守りたいと思います。

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